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青春から惰性まで(ヒロアカ夢短篇集)

第1章 lie and…【瀬呂範太】


私が友人のススメで韓国アイドルグループにハマったのはこれが初めてで、今まで「推す」という行為に無縁だった寂れた(?)生活には、オアシスのように思えた。

オアシスというより、今まで一切日の当たらなかった更地に、雨と陽光が降り注いで、信じられないくらいの草木が生えてくるような…

とにかく、言葉では言い表せないほどに楽しかった。
担当のグッズを集めたり、動画サイトに新曲が上がったら視聴したり、MVの考察をしたり…彼らは仕事や日々のストレスを癒してくれる、かけがえの無い存在だった。

とはいっても、別に仕事やプライベートが充実していなかった訳でもない。
仕事はそれなりに順調だったし、時間とお金に余裕があれば趣味の旅行だって行けた。

それにあっちの方も…。付き合ってもうすぐ2年になる彼氏もいる。しかもその彼氏はプロヒーローってやつで、傍から見れば「なんでそこ付き合ってるの?」と言われそうな組み合わせのカップルだと思う。(私もそう思う)

お互いにストレスのない距離感で、近すぎず遠すぎず依存し合わないような、甘々過ぎないような、悪く言えば淡々としているような気がするけど、ベッタリしてるのは柄じゃないし、これはこれでアリかなって。

ただ、それでも異性の推しが出来てしまったことは、彼──瀬呂君にはとてもじゃないけど言えなかった。
仮にもし、嫉妬?なんかされちゃって、推し活し辛くなることを考えたら、それはそれでなんか面倒だし私も辛いから、ここはお互いの今後のために黙っておくことにしようと考えたわけ。

逆に私がもし、瀬呂君が「何とか坂みたいな名前のアイドル可愛いよね」とか言われたら、数日眠れない夜を過ごしてしまいそうだから。
なんかこれ、ホント理不尽だよね…女性の推し活はなんか許される気がするけど、男性の推し活って聞くと首を傾げたくなるような、この違和感に名前をつけたいし出来れば受け入れたいけど、正直難しいというのが個人的な本音。

なので、今日迎えた初の日本公演は、事前に「名古屋で友達と用事がある!」と伝えた。嘘では無い。そしたらラッキーなことに彼の方も、「偶然。俺もその日、丸1日警備なんだよねー、しかも都外の。場所も知らされてねーし、遠くないといいけど」とボヤいてたので、心の中でガッツポーズをした。

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