第24章 ズルイヒト♭⑥
ポーン
『今帰りました
美風くんが駅まで送ってくれたよ
嶺二くんも、気をつけて帰ってね
今日はありがとう』
そんな連絡が届いた、飲み会後の帰り道。
愛梨ちゃんの言葉から、アイアイが僕のお願いをきいてくれた事を察して、彼に感謝の気持ちを抱くと同時に、愛梨ちゃんへの返事を送る。
彼女への気持ちは、こっそり投げキッスしたウサギのスタンプにのせておく。
アイアイも愛梨ちゃんも、なんだかんだで聡い人だなぁと思う。その割に、恋愛方面にはちょっと疎い所が似てる、なんて思ったりもしてる。
だから、もっと踏み込んでいかないと、伝わらないかもしれない。
ちょっと考えて、追加の文字をポチポチと入力する。ポーン、と送信ボタンを押して、返事を待つと、程なくして通知が届いた。
その内容は、延期になっていた旅行のお誘いについて。
詳しい話は明日にすることになったんだけど、彼女との関係を深めたばかりなので、お泊まりの予定を組むとなると、どうしてもニヤけてしまう。うーん、僕チン、思春期の男の子みたいだ。男はいつだって狼さ。がおー!....うん、浮かれている。
流石にそれが目的ではないけど、やっぱり好きな子には触れていたいってなっちゃうのは許して欲しい。
そんな事を考えてたら、またポーンと通知がきた。
『レイジと違って「ちゃんと」送り届けたから
「保護者」なら、ちゃんとしてよね』
....てへ。アイアイの方が、僕との付き合いが長い分、色々バレてるのかもしれない。彼へのお礼を再度送ったところで、自宅へ着いた。
今回のグループは飲みのメンバーが多かったので、ちょっとほろ酔い気分だった。ただ、浮かれて飲みすぎただけかもしれないけれど、改めて気を引き締めないといけないな。
玄関の鍵を閉めて、電気をつけずに、窓を開けに行く。
吐く息は、もう白くない。