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【NARUTO】ごめんなさいから始まる物語【トリップ】

第8章 忍犬との出会い


「え、ええぇ!?」



犬が消えたことに驚き、思ってもみない大声が出てしまった。

そんな私を尻目に、落ち着いた声で説明する。


「パックンは忍犬といってね。口寄せの…あぁ、忍術でいつでも呼び出したりできるんだ」


忍の世界にはまだまだ予想だにできないことが沢山あるようだ。


「はぁ…」

驚きの余韻で、間の抜けた返事しかできない。



「それにしても…。
 パックンが出会ったばかりの人間に頼みごとをするとは、珍しいな…」


なんてボソッと呟くが、七海の耳には届いていなかった。


「?」


「いや、何でもない。
 それより、ここは危ないから君は離れた方がいいね」


「え?」

その言葉の意図がすぐに理解できず、カカシの方を見る。



「言ったそばから」


瞬きをした刹那、カカシが消えたかと思うと。


カキーン!


右耳のすぐそばで金属がぶつかる音がした。

気づかないうちに、カカシが目と鼻の先に移動しており、手にはクナイを持っている。


足元を見ると、地面にクナイが刺さっている。

どうやら、私に向かって飛んできたクナイをカカシがはじき返したようだ。


「び、びっくりしたあ」


「ね?」

カカシは横目でこちらを見ると、唯一表情が確認できる右目で、にっこりと笑みを浮かべた。



どきっ。


心臓が跳ねる。

自分でも思ってみなかった反応だ。


肌が触れそうな距離にいるカカシに、伝わってはいないだろうか。



「さ、俺が案内してあげるから」


そう言い終わらないうちに、カカシは手に持っているクナイを慣れた仕草で速やかにしまい、
こちらを見ないまま歩き出す。



「…」
その後ろを黙ってついていく。

肌が持っている想定外の熱を感じながら。



カカシは七海に歩幅を合わしているのだろうか、いつもよりゆっくりと歩いていた。

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