第1章 辺 雪も溶ける
夢主視点
「おーい」
みーんみーん
「は」
なんだか息をしていなかった気がする。
「生きてる?」
「生きてる」
親友の声で目が覚めた。木、空、校門、鞄…
えーと、そうだ。私は今から学校から家に帰るんだった。中3、夏、馬鹿暑い。暑いにも程がある。沖縄じゃないんだから。なんやこれ
「熱中症なりなや」
「流石にならんわ」
朝で髪の毛はばらつくし、ワイシャツはべとべとする。セミもうるさいし、あーもう、夏なんてなくなりゃいいのに。
「またねー」
親友と別れて家に着く。もう少ししたらその子と出かけるつもりだ。本当は出たくないけど、
ピーンポーン
噂をすればキタキタ。
「はーい」
「迎えにきたぞ」
返事をしてバックを持ち玄関へ向かう。
にしてもあの子あんな言い方するっけ。まあいいか。暑さでどうにかなったんでしょ
「おまたせー…」
玄関の扉を開けて目にしたのは親友ではなかった。
長いブランドヘア、黒手袋、リボン、フリフリスカート…んんん?コスプレかな…?
「えと、どちら様…ですかね…」
「迎えにきたんだ」
おかしい。私を迎えにきたのは親友であり、このドチャクソ美人さんではない。
「人違いでは、ないでしょうか…」
「お前〇〇だろう」
あれえ私の名前…どうしてなして…もしかして身内の知り合い?うーん…
「まさか忘れたのか」
「え、会ったことありますかね…」
美人は眉間にシワを寄せてため息をついた。美人なだけあって怒った顔も絵になるなぁ
「私はナターリヤ。ナターリヤ・アルロスフカヤだ。お前がにい…ロシア旅行に行った時に出会ったベラルーシ人だ。」
「ろしありょこう…」
まーってまって、ロシア旅行…確かに私は6歳の時にロシアに旅行に行った。確か帰るときに散々怒られた気がする…なんでだっけ……
「あ、林で出会った」
「そうだ、お姉さんだ」
「なな、なんで日本に…てかなんで名前わかんの?住所も…」
そしてなにより不思議なのが、姿が変わっていない。10年以上も経っているはずだ。どうして
「今度は私のところに来ると言うたから、待っていたのに…名前なんて菊に聞けば直ぐわかったぞ。」
「菊って本田菊?!」