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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【2】

第12章 秘密の日記



翌日、休み時間にリドルの『特別功労賞』を調べようと、トロフィー・ルームに向かった。


「ねえ、わくわくしない?」ハーマイオニーは期待に目を輝かせていた。


「僕は全然だね」ロンは肩をすくめて大げさにため息をついた。
「もう一生見たくないくらいだ。フィルチに罰則でカップを磨かされた時、もう少しで手首が取れるとこだったんだぞ」


「へえ……」チユはきょろきょろと広い部屋を見回し、まるで宝探しでもするように瞳を輝かせていた。


ハリーが棚の奥を指さした。
「……あった」



そこに金色の盾が鎮座していた。
トロフィー・ルームの隅、飾り棚の奥。磨き上げられたリドルの『特別功労賞』は、なんだか他のどのトロフィーよりも眩しく光って見えた。


「理由は……書かれてないんだ」ハリーが低くつぶやく。


「そのほうがいいんだよ」ロンがすぐに口をはさんだ。
「もし事細かに書いてあったら、盾がもっとバカでかくなってたに決まってる。そしたら僕は、今でもこれを磨かされてるだろうな」


「ふふっ」チユが口元を押さえて笑う。
「ロンが言うと、ほんとにそんな未来がありそうに聞こえるね」


「笑いごとじゃないぞ!」ロンが眉をしかめる。



ハーマイオニーは、棚の横に並んだ古い名簿を手に取り、ぱらぱらとめくった。
「見て、首席名簿にもリドルの名前があるわ。それに“魔術優等賞”のメダルまで……」


「……パーシーみたいなやつだな」
ロンはあからさまに嫌そうな声を出した。
「監督生で、首席で……どうせどの科目でも1番だったんだろう」


「なんだか、それが悪いことみたいな言い方ね」
ハーマイオニーが少しだけ傷ついたように言う。


チユは2人の間をきょとんと見比べて、ぽつりと口を開いた。
「……でも、すごい人っていうのはわかるよ。名前だけで、こんなに存在感が残ってるんだもん」



4人はしばし無言で、奥に鎮座する金色の盾を見つめた。
光を受けてぎらぎらと輝くその文字列――「T・M・リドル」
そこに刻まれた名は、過去から確かに今へと響き、冷たい空気をまとって彼らの胸に重くのしかかっていた。


やがてハリーが小さく息を吐き、名簿を閉じる音が部屋に響いた。
「……行こう」


そうして4人は、どこか背中を押されるようにして、静まり返ったトロフィールームを後にした。
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