第12章 秘密の日記
ハリーが裏表紙に目をやる。
「ロンドンの……ボグゾール通り。新聞・雑誌屋の名前がある」
彼は考え深げに言った。
「この人、マグル出身にちがいないな。ここで日記を買ってるんだから」
「どっちみち、君が持ってても、役に立ちそうにないよ」
そう言いながら、ロンはふと声を低くした。
「マートルの腹に命中すれば50点」
チユの表情がぴくりと動いた。
ハリーがその言葉に答えることなく、静かに日記をローブのポケットへ滑り込ませる。
(……よくない)
チユは小さく胸のなかでつぶやいた。
でも、声には出さなかった。
だって、“よくない”と感じる理由を、まだ自分自身にも説明できなかったから。
ただ、背中の羽根の根元が、じんと冷えるように痛かった。