第16章 14。
その後しばらくの間、私たちは互いの意見を交換した。彼らは、私がこれまで思いつかなかったことや考えもしなかったことを教えてくれた。そして、意見を交換し話し合った結果、最終的に辿り着いた結論は、「相手を思いやり、愛しているが故の空回り」というものだった。
そして、どれくらいの時間話し合っていただろうか。大して時間が経っていないように感じていたが、私が意識を失っていた時間も含めると、それなりの時間が経過していたことに気づいた。
リヴァイとしっかり向き合えるかどうか、緊張と焦燥感が募る。それでも、アルミンたちとの話し合いから導き出した結論を自分なりに解釈し受け止めリヴァイと真剣に向き合おうと思った。
彼が今どんな心境でいるのか、私には分からない。それでも、向き合ってみなければ何も始まらないと思い、自分を鼓舞するように両手で頬を叩いて、リヴァイの部屋へ向かう決心をした。
そして、しっかりと横になって休んだおかげで、何度も体を動かそうと試みても動かなかった体に力が戻り、話し合いの途中で何度も水分補給をしたことで、喉に感じていた違和感と痛みも少し緩和された。さらに、余裕のなかった心にもわずかだが余裕が戻ったように感じている。
これまで私は、仕事や任務の話以外で部下とこのように真剣に話し合い、意見を交わすのは初めての経験だった。
そして、やはり一人で抱え込んで考え込むことには限界があったのだろう。と再会した日から、アルミンたちとの話し合いの中で、自分がどれほど余裕を失っていたのかを実感した。私はそのことを実感すると同時に、アルミンたちと過ごした時間が非常に貴重だと感じた。
「よし!みんな、ありがとう!しっかりリヴァイと話し合ってくるよ。彼も話を聞きたいだろうし、私もできる範囲であの子のことを伝えたいから」
「はい!頑張ってください!」
「大丈夫ですよ!きっと、兵長もハンジさんのことを待っていると思います!」
そして、私は食堂にいる6人に晴れやかな気持ちと笑顔で挨拶すると、彼らは優しそうに微笑み返してくれた。その後、アルミンとサシャから励ましの言葉をかけてもらった。