第3章 恋人
呼びかけてみても、反応がかえってこない。ただ体をビクビクと痙攣させるだけであった。
「ああ…とんじゃったのかな?」
まだ1度しか達していないというのに。おそらく今日の疲労や、緊張感などが重なり合って負荷がかかってしまったのだろう。
まあ、疲れたと言っていたのだし仕方がないか
「まだまだ序盤だったんだけどねえ…。小生はリリスを壊してしまわないか心配だよ。」
リリスにクローゼットから引っ張り出した寝間着をきせ、上から毛布を掛ける。
葬儀屋はスースーと気持ち良さそうに寝息をたてるリリスの頬にそっと唇を落とし、隣に潜り込む。
「おやすみ。リリス」
葬儀屋はリリスを優しく抱き締めながら、そっと瞼を閉じる。
2人の波乱の1日はやっと幕を閉じた。