第6章 黄金のグリフィン
「クローバー・チユ」
名前を呼ばれチユは再び髪を撫で付け顔を隠したがそんなものは意味もなく、前に出ると、すぐに周りからの視線が集まり、ひときわ大きなざわめきが広がった。
輝く長い金髪、透き通るような白い肌に、精緻に作り込まれた人形のような顔立ち。そして、異色の目が、その場の雰囲気に一層の異質さを加えていた。
こうなってしまえばチユにはどうか早く終わってくれと願う事しか出来ない。
マクゴナガル先生に促され、チユは組分け帽子を被った。その瞬間、周りのざわめきが一切聞こえなくなり、代わりに低い声で帽子が「ほお…」と漏らした。
「これは、素晴らしい才能をもっているね…」
「わかるの?」
「ああ、勿論だとも。全て手に取るように分かる」
帽子は他の生徒には聞こえないように、ひそやかな声で続けた。「君の背中に隠しているものもね。何故隠す?人に嫌われるのが恐ろしいか?」
チユはその言葉を聞いて、少し震えた。
そんなの隠さずに自分を受け入れて貰えるならそうしたい、でもそれが叶わない事を自分でよく理解している。
人々が皆、リーマスのように優しく、ダンブルドアのように寛大では無いのだ。
「い、いやぁ…」チユは動揺しながら答えた。
つい帽子にさえ人見知りを発揮してしまう。
「口下手なお嬢さんの様だね、さて…これは難しいな、どの寮にしようか…」
もういいから早くして欲しい。そして、どうかグリフィンドールに…!チユの頭の中はその事でいっぱいであった。
これまで組分けされた生徒たちの中で、チユが1番長く時間がかかっていた。もうこれ以上、目立つことは耐えられないと、チユは心の中で切実に願った。