第1章 目覚め
パイロside
お風呂を上がった後、二人は一緒にベッドに潜り込んだ。緋月はすぐに、僕の手を握りながら、あっという間に眠りについた。
だが、僕は眠れない。
あずきが、僕の隣で毛繕いをしている音が心地よく響く。でも、心の中は静まることなく、さまざまな思いが巡る。
(僕の目が見えないせいで、ヒツキに負担をかけちゃってる…)
目が見えないということは、常に誰かの助けを借りることを意味する。
僕が何かを感じ取るとき、そのたびにヒツキが寄り添い、手を貸してくれる。
それはありがたいし、彼女の優しさにも感謝している。だけど、それと同時に自分の無力さを感じてしまう。
(これ以上、失うのが怖いよ…)
ヒツキが前に進むために、僕がもっと力になれるはずなのに。何もできないことが、こんなにも辛くて切ない。
考え込んでいると、ふとあずきが僕の頬を舐めてきた。
その柔らかな感触に、少し驚きながらも、どこか心が落ち着くのを感じた。
僕は深く息をつき、目を閉じる。
そのまま、あずきのぬくもりに包まれるようにして、少しずつ眠りへと引き込まれていった。