She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第48章 婚約破棄計画
廊下に面した教室の半分を販売スペースにし、窓側がバックヤードになっている1年理Gの教室。
空になって返ってきた歩き売りの売り子が持つ籠に補充をし、金銭の集計をしていると、忍足ー!と呼ばれた。
バンダナとエプロンをつけた売り子役のクラスメイトがいる対面販売のスペースに顔を出すと、手を振る真珠がいた。
「君がゆうメロ?」
「はい?」
真珠の隣にいた人に呼ばれ、え?と固まる。
「マ◯メ◯の親戚になった記憶は無いですね」
「お、サ◯リ◯オ男子?」
「いや、特に詳しゅう無いです」
「純愛記念物の彼氏?」
そう言った人に、純愛記念物...?と侑士の頭にハテナばかりが浮かぶ。
「ごめん、男子高校生を目の当たりにしてちょっと変なテンションになってるだけだから、気にしないで」
苦笑いの真珠に、(ああ、また友達に誂われとるんか)と、教室の入り口の枠に手をかけた。
「どっか見てきた?純愛記念物はん」
「ちょっと気に入ってるでしょ?
『純愛記念日』みたいで」
「小池竜太やな」
「言っとくけど、ゆう込みで、だからね」
「え?コンビ名なんや。
俺がマ◯メ◯やったら、マコトはシ◯モ◯やんな」
「『男の子の子犬だもん』っ!」
「可愛ぇ女ん子やけどな」
似とるね、と笑った侑士は、食べる?とカウンターに貼られたメニューを指す。
「フルーツ飴!」
「すぐ出せそうなんは...りんごとみかんとパイン、キウイ」
ショーケースの在庫を覗く侑士。
「オススメは?」
「試作ん時、うまかったんはみかんですかね」
じゃありんご、と木下。
「みかんちゃうんや」
「ナイスツッコミ。
それを待っていた」
おもろい人やな、と侑士はショーケースからカットされたりんご飴を取り出す。
「私、キウイ」
「はい。マコトは?」
「えーっと...」
「みかん、半分のやつあんで」
「え?」
顔を上げた真珠に、皮を剥いて半分にしたサイズのミカン飴を差し出す。
「みかんがええけどまるまる一個食われへんなぁ、思っとったやろ?」
「そんなにわかりやすい?私」
「一緒おったらわかるわ」
制作中に形が崩れたものや、小さいものを安い価格帯で用意していたものを真珠の手を取って渡す。
「しばらく抜けられへんから、先、見回ってき」
代金を出した木下と加藤に、奢りです、と言って、侑士は教室の奥へ行った。
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