第4章 episode4
なんか妙な沈黙が続く店内。
なにか話す方が自然なんだろうけど私にはそんなこと出来るはずはなく…
ちびちびとカクテルを飲んでいた。
「そういえば、お前爆豪と付き合ってるのか?」
『ブッ―ゴホッ...ヴなっ、なんですかいきなり…』
思わぬ質問に思いっきりカクテルを吹き出してしまった。最悪。まじ最悪。
「すまない…。これで拭け。」
自分のおしぼりを渡してくるその手がもうエロくてこんな時にもそんな目で見てしまう自分に嫌気がさした。
『付き合ってないですけど…どうしてそう思ったんですか?』
「この前の飲み会で2人で…」
『ハッ』
そして私はあの日のことを思い出す。
あーもーヤダ最悪…
自分が惨めで、情けなくて、悔しくて、テーブルやグラスを拭きながら目頭が熱くなる。
『爆豪先輩とは、何も無いです。』
「じゃあホークスか。」
『なっ?!ホークスでもないです!』
そういえばホークスもあの時余計なことを言ってた気がした。
何も無いと言えば嘘になるけど…まぁこーゆー嘘はついておいたほうがいい。
テーブルを吹き終えてマスターにおしぼりを渡し、タバコに火をつけた。
「そうか…よかった。」
『へ?』
良かった…?
ヨカッタ…?
よかったって…なに?