第4章 episode4
『はぁ〜いい感じに酔っ払ってきた!』
「結構飲んでるもんな」
『ほんとお酒飲んだら全部忘れられればいいのに〜』
何本目かのタバコに火をつけてボーッとしているとお店のドアが開いた音がした。
「おっ。噂をすれば新入りだよ」
飲みすぎて若干揺れる視界。
首だけドアの方に目をやると見慣れた顔がそこにあって…
「…?」
聞きなれた声が私を呼んだ。
「あ?なんだあんたら知り合いか?」
『せん…せい…???』
え?
せんせい?
隣に座ったその男の人はどっからどう見ても相澤先生で、段々酔いが覚めて体が冷たくなっていく感覚。
「こいつ、教え子で。」
「なーんだそうだったのか。」
私はどうしたらいいか分からず、とりあえず黙ってタバコの日を消した。
「なんだ、急に口数少なくなったじゃねえか。担任の先生がきて緊張してんのか?」
そんなことを言ってからかってくるマスターをキッと睨みつけて手元にあった酒を飲み干す。
何がどうなってんの。なんでここに相澤先生がいるの。
しかも私服カッコよすぎるし。いやこの前もみたけどさ。
え、いやちがうのこの前は居酒屋だったからさ。
妙にこの店の雰囲気と先生が合いすぎるのよ。
てかえろすぎるの。え、無理普通に無理待って無理かも。