第6章 即ちそれ、“強豪”なる者たち
●藤堂 天● 〜東京体育館〜
「「 その子/そいつに
精密機器渡しちゃダメ!! 」」
そう言って、慌てた様子で続けざまに愛華にケータイを渡すことを止める詩織と史奈の2人を、
「「 は?? 」」
相手選手たちは不思議そうに見つめていた。
そして、相手選手たちが「どうして?」という問いを新たに投げかけるよりも前に、
「先輩先輩!こんなチビよりも
あたしの方が絶対イイ写メ撮れますって~!」
と言って史奈が、愛華とキャプテンの丁度間にあったケータイを受け取って、目の前で構えて見せた。
一方私は、撮影を再開する史奈の後ろ姿と、愛華の後ろ姿を交互に見ながら、
「史奈(お前)の機転で相手方のケータイは無事で済んだが、決勝までにお前自身は無事でいられるかな?」と静かに思っていた。
愛華の表情が分からないから何とも言えないけれど。
ただこの時、真正面にいる史奈の後ろに、同様に愛華が見えていたであろう詩織はもの凄い顔していたな…
そして、そんな状況を歯牙にもかけず、自分たちの話で盛り上がっている紗恵たち。
この時ばかりは、巻き込まれずにすんだ紗恵を羨ましく思った。
だから、さらっと耳に入ってきた話に、
『紗恵だったのかよ
ユニのデザイン案出したやつ』
と、誰に言うでもなくボソッと呟いた。
その時、
『ん?』
・・・・・・・
私は、別の誰かの介入を、新たに感じたんだ。