第6章 即ちそれ、“強豪”なる者たち
●藤堂 天● 〜東京体育館〜
つまり、それが“経験値”。
そんな、成長のための糧。
より強くなるための知識と、そこから編み出した技術。
私たちは今日まさに、試合中に成長した。
強くなるために不可欠な、“経験値”を得て確実にレベルを上げた。
以上を要約して、“ゲーム風”に言うとしたら…
さしずめ「クエスト名≪対戦校の戦略を突破する≫のクリア報酬は、追加点と経験値」と、言ったところだろうか。
フリースロー終了時まで続いた長尺なクエストだったけど、見返りもそれ相応に見合ったものが返ってきた。
結果、手に入れたのが“決勝への出場権”だ。
それに加えて、経験値から成る新たな力。
確かにものにして見せた。
何も、今回が初めてという事ではない。
むしろ記憶に新しいくらいだ。
私たちはこれまで、主に敗戦から多くを学んできた。
今の私たちの中にある全てが、これまでの経験。
そして敗北の賜物だ。
これまでの“経験値”が行き着く先。
そこにはいつだって、“発展途上の自分”がいて…
そして静かに、こう言っているんだ。
「勝ちたい」。
「強くなりたい」。
「戦いたい」。
「バスケがしたい」。
「みんなで一緒にいるんだ」。
「強くならないと」。
「みんなのために」。
「戦わずにはいられない」。
「もっとだ、もっと戦え」。
「抗え、抗って強くなれ」。
「もっと、もっと、もっと」。
「もっともっと、経験値を寄越せ」。