• テキストサイズ

宵闇の明けと想ふは君だけと〈中学編〉

第6章 即ちそれ、“強豪”なる者たち


●藤堂 天● 〜東京体育館〜


本当に、心から羨ましく思うよ。


試合の総数。
対戦してきた相手の強さ。
レベルアップの見出し方。
積み重ねた練習。
プレッシャーへの適応。
全国への挑戦。
そして、全国一位を目指す心意気。


全てにおいて、私たちは劣っている。


本来であればさっきの試合、勝てるわけがなかった。
そもそも、全国大会の出場権を無名の学校が手に入れること自体、不可能に近かったんだ。


そんな無名校の一選手でしかなかった私たちは、バラバラだった個人能力を短期間でなんとかチームプレイの形にした。
その結果、試合に出ることが徐々に多くなり、ついには先輩たちを押し退けレギュラーとなった。


そうなるよりも、ずーっと前…


とは言っても、直近1年に収まる話なんだが。
なのに不思議と大昔にも感じる。


今こうして全国大会の…信じられないが決勝に。
レギュラーで出るとは思ってもいなかったあの頃は、目も当てられないほど散々な試合をしたこともあったっけ?
もちろん惨敗だった。


だけど、「初めは荒削りでも」とチームプレイを重視して練習に練習を重ね。
他校との練習試合の実戦を経て、そこからプレイの見直しと修正…


そういう風に、全員で日々を過ごすうちに…


いつからだっただろうな。
敗戦続きだった試合も、少しづつだけど勝てるようになっていた。


そして今は、こうして全国の舞台に立っている。
負ければそこで終わりの世界で、私たちは戦えている。
まさに、奇跡としか言いようがない。


だけど、今も昔も変わったことなど一つもない。
試合に勝てば当たり前に嬉しかったし、負ければ当たり前に悔しかった。


そして、それ以上に私は…


仲間(こいつら)と、バスケをするのが楽しかった。

/ 276ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp