第6章 即ちそれ、“強豪”なる者たち
●藤堂 天● 〜東京体育館〜
?「それにしても、11番ちゃんは
ほんとに可愛い顔してるわよね〜♡」
「えぇ?!わ…ワタシですか〜?!」
?「そこのSG!今日私は!
正式に君のことをライバルと認めよう!
今度は負けないぞ!!」
「ライバル…なんスかそれ!火ぃつくっス!!
あたしも望むところっスよ!!」
?「このお団子…相当なボリュームよね?!
ねぇちょっと髪下ろしてみてよ!!」
「いま下ろしたら大事故が起こるので勘弁です。
あの…先輩?なんでポムポムしてるんですか…
先輩?先輩??」
目の前にいるこの人たちは、やっぱり楽しそうで。
私のチームメイトと、他愛もない話で盛り上がっている。
そして、
?「それにその高身長!
ねぇーちょっとだけでいいから
肩車してくれない?!」
?「キャプテン…それは流石に図々し」
「いいですよ!」
?「「 いいの?! 」」
これには思わず、私も頬が緩んでしまった。
そんな風におちゃらけて…
今ならどんな悲しみや苦しみも、関与する余地なんてないように見える。
だけど、分かっているんだ。
現在の裏に、隠された過去のことを。
この人たちは、さっきの試合結果を受け入ることが、とても辛かったということを。
そしてそれを証明するかのように…
全員の瞳が、微かに赤く腫れていた。