第5章 栄光の目前 〜決勝トーナメント準決勝〜
●藤堂 天● 〜東京体育館〜
“ワクワクする”とか、“楽しくてしょうがない”とか。
私からしてみれば、それは簡単に受け入れることが出来るようなものではなく。
だから、すぐ否定に入ってしまったり。
認めてしまった瞬間、“負けた”気分になってしまうような…そんなことでも。
紗恵と詩織にとっては、それは当たり前であるかのように。
“当然受け入れるもの”として、こいつらの中で感情として生きている。
私の中にある、“闘争心”に代わるように。
そんな温かな感情が、2人とともに呼吸していることを知ってしまった。
そんな2人が羨ましく。
それゆえ腹立たしくもある。
紗恵と詩織に、というわけではない。
自分自身に腹が立っていた。
どうして自分は2人のように。
「素直に認める」。
ただそれだけのことが、どうして出来ないんだろう、と。