第1章 HappyBirthday〜2025.12.25〜
「あたしは、兵長が殺人者でも好きになりますよ。知ってますか?手を血で穢す人はそれ以上に心は綺麗なんですよ。沢山の兵士の命を救っては、数え切れない程の兵士を弔って、誰よりも傷ついてる強い人こそ・・・・・綺麗なんですよ? 心が」
「・・・・・ユキ」
フッと目を細めて幸せそうに笑うユキは、それを最後に、今度こそ襲い来る眠気に抗うことなゆっくり目を閉じてすぐに寝息を立て始めた
その様子を目を逸らすことなく眺めていたリヴァイは、ユキを抱きしめる腕に力を込めた。
・・・・・お前は、何もわかってない。
その穢れの意味も・・・
俺の過去も・・・
この手はもうとっくに穢れてるし血塗れだ。
生きるためにどれだけ人を殺めたか。
お前の目から、俺はどう見えていたのか聞きたくて、俺の心の奥に眠る知りたくもない醜い部分を知ったら軽蔑するとわかっていて突然ぶつけた質問だったのに・・・・・まさか俺が殺人者でも好きになると言われるとは思わなかった。
ましてや心が綺麗なんぞ初めて言われた⋯
俺の過去を・・・ユキに話すつもりはない。
「もう、戻れねェよ」
俺の背中を追い続けて散っていった兵士たちを踏み越えてあるこの命はこの世界のために捧げた
なのに・・・・・
目の前で眠るユキの寝顔を見ながら体温を感じれば、凍った心が溶けていくようだ。
なにもなかった世界に色を付けてくれたのはユキだ
未来がなくても今がある
だが、何一つ残せるものはない
結婚もガキも⋯"普通の女"が望む幸せを、俺は与えてやることはできない
捧げるのはこの心臓
投げ出すのはこの命
それが、光の世界に身を投じ生きてきた俺の運命だ
だが…お前に出会って心が変化した
宣言通り、心も体も、本当の意味でユキを手に入れたリヴァイはもう、この温もりを離すことはできないと確信した
今日は⋯部屋に返すつもりもない
職権濫用とわかっていても、今日はユキと共に過ごすことを既にエルヴィンにも言ってあるし、このまま寝かそうと思っていた
同室のヤツには俺たちの関係は知ってるから何も言ってくることはない。
そんなこと俺に言う勇気もないだろう
これを機に全員に関係が知れ渡れば、ハエが寄ってくることもない