第1章 HappyBirthday〜2025.12.25〜
「夜会に行くことになった」
「・・・え?」
それは突然告げられた死刑宣告のようにも聞こえた。
大袈裟だと思われてもいい。この一言はあたしにとって死活問題だ。
あたしとリヴァイ兵長は最近恋人になったばかり。
甘い雰囲気もなければ手も繋いだこともないしキスもしたことない。
でも、付き合えたことでも幸せで胸がいっぱいだから、今はそれでもいいと思って幸せをかみしめていた矢先、1週間後に来るクリスマスがリヴァイ兵長の誕生日だと言う事を初めて知った。
だから、その日は一緒に過ごしたいと直談判したら、あっさりOKを貰えて浮足立っていたのだ。
それが誕生日の2日前の出来事だった。
だが前日、そんなリヴァイ兵長から執務室に呼び出され言われたのが冒頭のそれ。
なんでも、前の夜会でリヴァイ兵長の事を気に入った令嬢が彼の誕生日を祝いたいと言う事で急遽決まった計画らしく、兵団を通して団長であるエルヴィンから呼ばれて聞いたことらしく当人も寝耳に水だったらしい。
その令嬢は、我が兵団に多額の援助をしてくれている伯爵家の娘。
断ることなどできない状況で兵長は渋々受け入れたらしい。
「わかりました」と聞き覚えがいいふりをしてガックリ肩を落としてあたしは兵長室から退室した。
「う〜・・・・ヤダぁ―――!!!一緒にいたい!夜会になんか行かないで!兵長のバカぁ!!」
はぁはぁと声を荒げて誰もいない廊下で秘めた思いを吐露する。
わかってる。これはどうしようもないことなんだ。
仕事なんだと思い・・・切り替えようとしても今度ばかりはどうしても心が落ち着かない。
だって誕生日だよ?
誕生日は特別だよ?
一生に一度しかない特別な日なんだよ?
それをなんで兵長の事よく知りもしない貴族の女にその大切な時間を持ってかれなきゃならないの!
兵長も兵長で平然と夜会に行くことになったってなんの罪悪感もなく言ってくる事にもモヤモヤする。
たしかに先に好きになったのは自分だ。
先に惚れた方の負けだと誰が言ったのか知らないが本当にその通りだ。