【ヒロアカ】change the truth【R18】
第5章 個性
「それじゃあ、我々はそろそろ行くよ。」
校長たちが病室を後にすると、俺は再び静かな一人の時間に戻った。
ベッドに横になったまま考える。怪我の痛みよりも、佐倉のことが頭から離れない。気づけば、自然と体が動いていた。
佐倉の様子を見に行こう――そう思い、立ち上がる。歩くたびに痛む体が、少しずつ気にならなくなっていく。
佐倉の病室に到着し、ドアをノックする。しかし、返事はない。まだ目覚めていないようだ。
中に入ると、佐倉は点滴の管を付けられたまま眠っていた。その静かな横顔に目を向ける。表情は穏やかで、ただ寝ているだけのように思えた。
俺はベッドの隣にある椅子に腰掛ける。何か声をかけるべきなのか、ただそばにいるべきなのか、迷いながら彼女を見つめていた。
ある日突然現れ、俺の命を救ってくれた。どうしようもないほど不可解で、不思議な存在。それでも、その存在が俺にとって特別なものになってしまっていることを否定できない。
気づけば、手が勝手に動いていた。
佐倉の髪の毛を優しくかき上げる。
そして、その額にそっと唇を寄せた。
「どうか、早く目覚めてくれ。そして……俺だけのものになってくれ。」
耳元に届くのは、彼女の穏やかな寝息だけだった。
それでも、俺の心は抑えきれないほど大きく高鳴っていた。
俺はもう佐倉と出会う前の自分には戻れない気がした。
そして、それでもいい、そう思う自分がいた。