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【ヒロアカ】change the truth【R18】

第5章 個性


怪我の確認を終え、佐倉と共に帰宅した。玄関を開け、俺は靴を脱ぎながら彼女に声をかける。

「これからは生徒にバレる可能性もある。一緒に帰るわけにはいかない。だから、これを使え」

そう言って、ポケットから事前に用意しておいた合鍵を取り出し、彼女に手渡した。無駄に視線を合わせず、淡々とした口調で続ける。

「これで家に入るようにしろ」

佐倉は驚いたように目を見開いたが、すぐに静かに鍵を受け取り、小さく頷いた。

「ありがとうございます」

「私、何もわからない状態でずっと不安だったけど……相澤先生が教室でも気にかけてくれて、本当に助かりました」

彼女は言葉を区切りながら、鍵を胸の前で大事そうに握りしめ、俺を見上げた。

「得体の知れない私に鍵まで預けてくれて、ありがとうございます」

彼女が笑顔を浮かべてそう言った瞬間、胸が不意にドクンと大きく高鳴った。その感覚に、心臓がぎゅっと締め付けられるような感覚が走る。

(……何を、考えている)

認めたくない。出会ったばかりで、彼女のことを何も知らないはずだ。それなのに――。

「そうか」

なんとか声を絞り出し、短く返事をした。自分の感情を隠すように視線を逸らし、そのまま部屋の中へと進んだ。背後から聞こえる彼女の足音が妙に鮮明に耳に届き、胸の中に渦巻く何かを押し殺した。
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