【ヒロアカ】change the truth【R18】
第5章 個性
仕事が片付くと同時に急いで、保健室へと向かった。扉を開けると、佐倉がベッドに寝ているのが見えた。怪我の具合を確認しようと彼女に近づく。
「……大丈夫か?」
佐倉は少し驚いたように目を見開きながら、静かに顔を上げる。どこか泣きそうに見えた。
「はい....でも、ちょっと怖かったです」
「初日でこんなことがあったんだ。無理もない。今日はよく頑張ったな」
(傷はどの程度だろうか)
そっと佐倉の前髪を上げる。うっすらと赤みが差していたが、どうやら傷は浅いようだ。安心した。
「大丈夫そうだな」
そう呟くと、佐倉の顔が赤く染まっていくのに気づいた。一瞬、こいつも俺を意識しているのではないか――そんな考えが頭をかすめる。
(……ガキ相手に何を考えているんだ)
心の中で自分を諫めながら、目を逸らした。だが、その瞬間にも胸の中で芽生えた感情がじわじわと広がっていくのを感じた。これまで感じたことのない、この奇妙な感覚。その正体を見極めるには、まだ時間がかかりそうだった。