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【ヒロアカ】change the truth【R18】

第5章 個性


「お待たせしました」

その一言を皮切りに席についた医師の顔には、何やら悩んでいるような影が浮かんでいる。少し眉を寄せ、手元のファイルを眺めながら言葉を探しているようだった。

(……なんだ? 何か良くない結果でもあったのか?)

胸の奥がざわつく。予想外の展開が待っているのではないか――そんな考えが頭をよぎる。

「結論から言うと、あなたには個性があるようです」

まあ、それはそうだろう。佐倉を目にしたときから、佐倉には何か特別なものを感じていた。次に続く言葉で、個性の正体が明らかになるだろう――そう思っていた。

だが、医師の口から出た言葉は、予想を大きく裏切るものだった。

「ですが、その個性が何なのか、どういった性質を持つのかは、今回の検査では特定できませんでした」

――調べても、わからなかった?

その一言に、俺の中で驚きが弾けた。これまで数々の個性を見てきたが、検査をしても判明しないなど、聞いたことがない。

(なら……俺の行動は、こいつの個性の影響ではなかったということか?)

医師は、さらに説明を続けた。

「極めて稀なケースではありますが、個性が何らかの理由で“潜在”状態にある可能性があります。今後、生活の中で急に個性が発現し、その特性が判明することが考えられます。そのため、慎重に観察を続ける必要があります」

「慎重に」と繰り返す医師の言葉に、背筋が僅かにこわばるのを感じる。未知の個性は、それだけで脅威になり得る。
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