【ヒロアカ】change the truth【R18】
第5章 個性
検査を終えた佐倉が、看護師に付き添われて戻ってきた。その顔には緊張と疲れの色が滲んでいる。俺は何も言わず、診察室へいき佐倉と並んで椅子に腰を下ろした。
診察室の中は静かで時間がゆっくりと流れているようだった。隣では、佐倉が結果を待ちきれない様子で、落ち着きがない。視線は何度も宙をさまよい、明らかに不安を隠しきれていなかった。
(……何か声をかけてやるべきか?)
ふとそんな考えが頭をよぎる。だが、そう思った自分にまた驚いた。普段の俺なら、こんな場面で言葉をかけようか考えることすらない。それなのに、目の前の佐倉を放っておけないような気がしている。
(ほんと、らしくないな)
そんなことを思いながら、胸の中にひっかかる感覚を抱え込む。だが、これもおそらくこいつの個性の影響だろう――そう考えることで、少し自分を納得させた。
(あと少し待てば、それもはっきりする)
そう思った瞬間、診察室の扉が開き、医師がファイルを手にして入ってきた。