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【ヒロアカ】change the truth【R18】

第5章 個性


病院に到着すると、俺は受付で個性の検査の手続きを淡々と済ませた。必要な書類に記入しながら、ちらりと横目で待合室にいる佐倉を確認する。佐倉は椅子に座り、俯いたままじっとしていた。その肩がわずかに震えているようにも見える。
 
(……やはり、不安なんだろうな)

用意が整うと、俺は佐倉の元へ向かい声をかけた。

「行くぞ」

その声に、佐倉は少し驚いたように顔を上げたが、すぐに小さく頷いて立ち上がった。足取りはぎこちなく、緊張が滲み出ているのがわかる。

検査室の入り口まで彼女を案内し、送り出した。佐倉は不安そうな顔をこちらに向けたが、特に何も言わず、看護師に連れられて検査室へと入っていった。

俺は静かにその背中を見送り、近くの椅子に腰を下ろした。手続きや移動で感じなかった疲労が、少しずつ体に重くのしかかる。が、それよりも気になるのは、自分がここに至るまでにとった行動だった。

(今日、こいつを見つけてから……俺は今までにない行動をとっている)

そのことが気になって仕方なかった。普段の俺なら、出会ったばかりの素性のわからない人間をこうまで気にかけることはしない。疑わしければ、その場で排除するか、距離を置く。それが俺のやり方だ。

だが、佐倉に対しては、そうはならなかった。

もしかして――

(こいつの個性が、俺の感情に影響しているのでは?)

そう考えた瞬間、胸に妙なざわつきが生じる。もちろん、それはただの憶測にすぎない。しかし、彼女の個性のせいで自分の理性に乱れが生じているとしか思えなかった。そうでないとおかしい。

とはいえ、今はそれを確認する術もない。とりあえず検査結果がわかれば、何かしら対応方法が見つかるはずだ。そう信じて、俺は深く息を吐いた。

静かな待合室に響く時計の針の音を聞きながら、俺はじっと検査室の扉を見つめていた。
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