第1章 未来との邂逅
何もない空間を漂いながら私は思考する。
あの時、私たちは何度もやり直した。
その結果が成功であり失敗であり最終的に辿り着いたのが今の循環(ループ)である。
しかし、それでも、と思考を止められない。
更によりよい循環があるのではないかと。
私が陰と陽に分かたれない術。
そもそも野狗子が生まれなければ、ドニが未来を切り拓いてくれる可能性があるように、この事態そのものの改変。
それは確定した未来である私には困難であるが、第二第三のドニを生み出すような。
ドニの存在。
そこから私は一つの方法に思い至った。