第11章 入学
「群れるのは嫌いだからね。遠慮しておくよ。」
「そうか。そんならしゃーねーな。」
雲雀が断ったことにツナはホッとした。
「赤ん坊、雪月永茉を借りたいんだけど。」
「え?」
「あぁ、いいぞ。」
「「えぇ!?」」
「じゃあ、借りるよ。」
雲雀は永茉の手首を掴み連れていってしまった。
「雲雀くん?」
「何?」
「どこ行くの?」
「屋上だよ。」
「なんで?」
「そろそろ相手してもらおうかと思ってね。」
永茉は雲雀と初めて会った日に雲雀に言われたことを思い出した。
偶に僕の相手してよ。
初めて会った日、雲雀は永茉にそう言ったのだ。
「え!今日!?今から!?」
「そうだよ。」
そんなことを言っている間に屋上についた。
「さぁ、やろうか。」
と言ってトンファーを構える雲雀。
「本当にやるの!?」
「行くよ。」
永茉を無視して雲雀は近づいてきた。
「ちょっ!もぅ!!」
ガッッッ!!
永茉は素手でトンファーを受け止めた。
「くっ、、」
「ワォ。すごいね。」
「い、、ったい!!」
永茉はトンファーを受け止めたまま足を使って雲雀のお腹を蹴った。
「ぐぅっ、、」
「ごめん!!大丈夫!!?」
思いっきり蹴ったため雲雀はうずくまった。
「何ともないよ。」
「え、本当に!?鳩尾入ったんじゃないの!?」
「いい蹴りだったよ。」
「絶対入ったでしょ!!」
強がる雲雀を見て永茉は心配になる。
「今日はここまでにしようか。」
(一瞬で終わっちゃった、、)
「本当にごめんね?」
「何ともないよ。仕事を思い出したから戻るよ。」
「そっか。ごめんね?お大事に、、」
「うん。気をつけなよ。」
そんな会話をして永茉は雲雀と別れた。
(どうしよう、、絶対痛かったし。何かお詫びしたほうがいいよね、、)
永茉は何かお詫びしようと考えながら歩いていた。
(あ、こんな時はディーノに聞いてみよう!)
永茉はディーノの存在を思い出し連絡してみることにした。