第5章 好感度の距離
私が治したの?
めめの手首に触れていたが、傷口を触ってはいない。魔法が目に見えたわけでもない。
不思議に思いながらも、めめとの庭園の散歩を再開した。
めめと当たり前のように手を繋ぎ直すのはなかなか心臓に来るものがあるが顔はなんとか平常心を保たせた。
さっきの虫はなんて名前なのか、つけるならどんな名前をつけようか。他にもこんな虫を見たとか、この世界の感じたことをお互いに笑いながら話し合う。
怪我をしたことはびっくりしたけど、それがきっかけで朝のぎこちなさは減った気がした。
「目黒」
「あ、舘さん。
もうそんな時間?」
「遅いから迎えにきた」
庭園に現れた舘様。時計はないのではっきりとはしないけれど、思っていたより時間が経っていたみたい。
舘様が私に当たり前のように手を差し出す。
私はめめと繋いでいた手を上に乗せた。
ホントに何のプレイなの?お金払った方がいい?
「……じゃあ。またね」
めめは私の頭を撫でて、ニッコリと柔らかい微笑みを見せた。
その笑顔にドッと心臓が鳴る。
だから、何回もトキメかせるな、目黒蓮。
舘様にお願いをして今まで行ったことのなかったお城の救護室へ一緒に向かうことにした。
食事の時の正面に舘様が座っていたときはよく話しかけてくれた。いつもエレガントで、話しかけてくれる時もとても丁寧だ。けれど、今日は無言が続き、まためめのときのように気まずい雰囲気になった。
「目黒と仲良くなれた……?」
舘様がポツリと小さく呟いた。
あまりに小さな声で私はよく聞き取れない。
「舘様?ごめんなさい。何て言いましたか?」
「……いや、何でもない」
うーん、なんだろ。
救護室はお城の西側、屋外の兵士訓練場の手前にある建物でまるまる一棟だ。町にあるような病院よりもずっと広く、一部屋に10人ほどは収容できるような部屋が何十部屋も続いている。
「初めまして勇者様、聖女様。
ここを管理と助手をしてます。セドリと申します」
白衣がダボダボで眼鏡が顔の半分を占めている背の低い男の子が現れた。子供に見えるんだけど…