第26章 事変
あの村の連中は全員頭がおかしい。
おかしい奴の声は大きくて、自分以外の全てに思えて。
あの村にいたら私は死んだも同然。
私が私らしくあるために、私はあの田舎を飛び出した。
ふみにも村の色に染まって欲しくなかったから早く出る様にそう言った。
土足で他人の心に入り込んで勝手に喚いて暴れて人生を踏みにじって勝手に椅子に座ってふんぞり返る村の連中が、そういう人間が嫌いだって思ってたけど、そう言うわけでもなかったな。
虎杖や伏黒、真希さんや狗巻先輩、パンダ先輩、硝子さん、五条に七海さん……。
ここの人たちは用意された椅子になんて座らなくて、自分から椅子を持って座った。
私を見る彼等は楽しそうに笑っていて安心した。
だから、一人だけ不安そうに私を見るふみに向き直る。
今にも泣きだしそうなふみ。
そりゃそうだよね。
約束、したもんね。
いつか3人でもう一度会おうって、そう約束したもんね。
その日が来たら、3人でお洒落なカフェに寄って、おいしいお菓子を食べようって思ってたんだよ。
それにふみと沙織ちゃんに紹介したい子がいるんだ。
口は悪いけど、誰よりも心の優しい女の子なんだけど。
その子のために極上の椅子を用意してあげたのにそれに座らずに逆に私のために椅子を差し出してくるような子なんだけど。
きっと2人とも大好きになると思うよ。
だって私がこんなに大好きになった子なんだもん。
そしたら3人じゃなくて、4人で東京でおいしいものを食べ歩きしよう。
でも……うん……。
……ゴメンね、ふみ。
約束、守れなくて。
「虎杖、。皆に伝えて」
だけど、後悔はしていない。
自分の人生、何一つ。
「"悪くなかった"!!」
瞬間、私の目の前は真っ暗になった。