第3章 第一章「任務フォーア・シュピール」
「貴方が私の相手なの?」
怪盗が言葉を言い終わったときにはもうそこにいた。
怪盗団とは違い仮面をしていない。長い銀髪が夜だからか余計に目立つ。黒いシンプルなワンピースを着た少女がいた。
「まぁいいわ。私、あなたを倒す」
「うわぁっ!」
いつの間に出したのか左手の大鎌で攻撃されましたぁ! ちゃんと避けたよ。
僕もちゃんと適当な剣を出します。
「父母院! 気を付けろ!」
「千尋! 俺様達も行くぞ。まってろ、父母院」
千尋と薫がこちらに向かってきてくれています。
二人が来るまでは持ちこたえなきゃ。
「貴方……能力持ちなの」
「だったら何」
「……契約……解除」
「何でそれを!」
少女は僕の事を知っている?
確かに僕の能力を『契約を解除、無かった事にする』能力。
この、能力は会社から抜ける人が出たときに使う能力としておじいちゃんが内緒で僕に与えた能力なのに!
「父母院大丈夫か」
気がつけば千尋と薫が隣にいた。
「う、うん」