第3章 第一章「任務フォーア・シュピール」
「あ、メル、千尋良いとこに来た! ケーキはやっぱりチョコレートだよな!」
「いいやいや! 抹茶だよな♪」
「…………普通の生クリームが一番だ………」
「ごめん、これどういう状況?」
部屋に入るとそこには大きな机に教科書が広げられ薫、天丸君、誉君が向かい合い何故かケーキは何味が一番か言い争っていた。
というか、なんなんだこの状況。薫るや天丸君、誉君までもが同意を求めるような視線を送ってくるし。勉強してたんだよね?
「いやさ、教科書にケーキの問題が出てきたからチョコレートが一番といったら愚かにも抹茶だとか普通に生クリームだとか言いやがるから」
「あーつまり、ケーキは何味かっつう低レベルの争いをしてたんだな。良く分かったぞ」
千尋が呆れたように言う。そう、そのまま勉強に導いて。決して余計なことは言わずに。
「まぁ、俺はイチゴだがな」
「「「…………ふっ……」」」
「んだとぉ! てめーら、何笑ってやがる!」
僕の心の願いは通じなかったようです。争いの種が増えちゃったよ。
じゃあ、僕は言わないようにしよう。
「所で、父母院は?」
レモン味がすきだなんて。