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【暇潰し】R18/Short Story【進撃】

第4章 VI * アルミン・アルレルト


肌寒さに目を覚ます。
腕時計を見ると2時間ほど経過していて、窓の外はすっかり夜になっていた。

(…寒っ)

廊下から声が聞こえると、ドアをコンコンとノックをされる。
慌てて手櫛で髪を梳かした。

『は、はい!』

部屋に入ってきたのは分隊長とアルミンだった。

「やぁ!気分はどうかな?」
『良くはありませんが、ご配慮ありがとうございます』
「いや、いいんだ。少し私と話をしないかい?」

アルミンがテーブルに紅茶をセッティングすると、囲むように3人で腰を掛けた。

「まず…私はハンジ·ゾエ。挨拶が遅れたね」
『ハンジさんとお呼びしても?』
「かまわないよ」

ハンジは紅茶に手を付けるとにも勧めた。
遠慮なく口に運ぶと、優しい口当たりに肩の力も抜けていく。

「さっそく本題だけどさ、は何者なのかな」

は悩む…目を爛々とさせるハンジを目の前に本当の事を話すべきか、濁すべきか。

『恐らく…私の話す事は受け入れていただけるとは思えません』
「うん?良いよ、何でも話してみて?」

小さく息を吐くと自分の身に起きたであろう仮説を聞かせる。
いつも通りの仕事帰りに気付けばあの樹の上にいた事、それらを…

『私達の世界では異世界転生やトリップと呼びます。あくまでフィクションですけど…』
「…聞いたことのない単語ばかりだ…」

頭の上に"?"でも浮かんでいる様子の2人に、は異世界ものでお約束のように自分の持物を見せた。

『これは私が通勤に使っている鞄です』
「うん…見た事のない形と素材だ」
『これはボールペン、中にインクが仕込まれています。それにこれは…』

次々と鞄から取り出すの日用品はやはりこの時代、この世界では物珍しいものばかりだったらしい。
そしてポケットからスマホを取り出し、軽く操作して見せた。

「…」
「…」
『こんな感じです』

ハンジもアルミンも、おおよその想像もつかないスマホにはリアクションの取り様もなかった。

『あ!』

は空気を変えようとエコバッグから買ったものを取り出した。


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