第6章 ばぶみを感じたら要注意!
長谷部が超、真っ赤になりながらそう言った。正直、その時の長谷部の真意が私にはつかめなかった。
膝枕……っていうと、あれか?長谷部、母性に飢えているのかな?私相手にばぶみを感じてオギャるつもりだとしたら、長谷部……相当疲れてんな。(生暖かい目)
私の胸中など知らず、長谷部は正座して返事を待っていた。
「あー……うん、良いよ……(ドン引きつつ)」
「ありがとうございます、主!では、俺は報告書作成に取り掛かりますね」
そう言って、長谷部は部屋を出て行った。……何してよう、取りあえず長谷部の仕事(本来は私の仕事)が終わるまで昼寝でもし――
「――主!終わりました!!」
「早えな、おい!!」
「先ほども申し上げた通り、殆ど報告することも有りませんので」
そうは言っても、ビックリするほどの早さだよ。部屋出て行って10秒くらいしか経ってないよ!?こちとら、まだ心の準備すらできていないというのに。いや、たかが膝枕に心の準備もないけどさあ……。
長谷部はコホン、と咳払いをすると、どこからともなく座布団を取り出した。
「さあ、主。この座布団の上にどうぞ」
「(用意が良すぎて逆に怖いんだけど)ああ、うん。ありがとう」
「では、失礼します」
朔夜が座布団の上で正座をすると、その膝の上に長谷部が頭をのせた。
本当にこんなんで良いのかな?私、ばぶみ無いから今までオギャられたことないし、突然長谷部が「ママ~」とか言い出したらどうしよう。
……でも私がいなくなってからずっと、長谷部がこの本丸を存続させてくれてたんだよね。仮にもこんのすけ助けが居たって、それは大変な苦労だっただろう。
そう思っていたら、自然と長谷部の頭を撫でている自分がいた。
「あっ!あああああるじ!?」
「あ、ごめん嫌だった?なんとなく、手が伸びちゃったんだけど」
「嫌なわけがありません!ですが……」
「ですが」何だろう。その続きを長谷部は口にしなかった。
朔夜は長谷部の頭を撫でながら、外の庭に目をやった。外は相変わらず雪が降っていて、食料調達班もきっと苦労している事だろう。
政府からの資金が手に入るのもあと半月先だ。それまではどんなに質素な生活でも頑張らなくては。絶対に6Pは嫌だ、6Pは(←まだ言ってる)