第3章 須磨シーワールド　本編　【禪院直哉】

『この水槽の魚はスマスイの
波の大水槽におったやつらしいで？』

さっき公園で見たBEKOBEの
モニュメントに姿を変えている
当時は東洋一の大水槽と言われた物で
波が出る水槽は世界初だったのだそうだ。

「あの…、モニュメントになってる
水槽に居た…お魚さん達……なんですね…」

この大水槽がある１階には
須磨コレクションと言って
無料で開放されているエリアがあって。
須磨シーワールドになる前の
須磨海浜水族園の歴史が
年表や…模型で見る事が出来る様になって居て。

凄い熱心に…展示を見てる人が居たので
スマスイの思い出を…あの人は
振り返っているに違いないと、
そんな風に思いながら見ていたのだけど。

４階の屋上エリアには
３階でも見る事が出来た
アザラシとアシカを見れて。

ウミガメとペンギンもここで見る事が出来る。

『お、ここもペンギンおるやんか…
この水族館は相関図ないんやな…。
てか…ペンギンの家でっかいな…』

よくあるペンギンのお家は…
プールサイドに岩が置いてある感じだが
大きな岩場と…岩場をくりぬいたお家
そして…土がある場所があって、
その土のエリアにもお家がぽつぽつと
あちこちに建っていて。かなり
陸上のエリアも広い感じの印象を受ける。

その先の水のエリアも…
かなり奥行のあるプールになっていて。
ゆうゆうと泳ぐペンギンが見られる。

「ペンギン達も…、
広いお家で快適そうですね…」

アクアライブ館を楽しんだ後は
１４時からのショーを観る為に
オルカスタジアムへと移動する。

オルカスタジアムも
ドルフィンスタジアム同様に
２階にショープールがあって。
３階は客席、そのセンターに
有料の指定席がある。
１階にはシャチを見ながら食事が出来る
バイキングレストランがあって。
１日のオープンから連日大人気なのだそうだ。

シャチ……イルカとは…
比べ物にならない程大きくて…。
ショーのジャンプも…
身体が大きい分大迫力だったんだけど。

シャチは見た目がパンダ配色で
カワイイ印象を受けるが、
その別名は海の王者…海の生態系の
食物連鎖の頂点に君臨している
陸で言うライオン的なポジションで。