第2章 2
無理するなって言われたのもそうだけど、ちょっと感傷に浸りながらゆっくり学校まで歩いていると突然後ろからガバっと誰かに抱きつかれた
「ゆりー!おはよう!熱下がって良かった!あと!誕生日おめでとう」
そう言うのは隣の家に住んでる幼馴染の青子
「おい青子。病み上がり相手に勢いよく抱きつくんじゃねーよ」
そう言って青子の後を追いかけてきたのは同じく幼馴染の快斗
そんな快斗にムッとしながら
「だって快斗だけ昨日先に抜け駆けして誕生日お祝いしてずるいじゃん!!青子だってね!予定さえなければ誰よりも先にお祝いしたかったの!!!それにちゃんと手加減してますー!」
それに対して快斗も言い返しワーワーいつもの痴話喧嘩?夫婦漫才?が私の両サイドで繰り広げ始めた
お礼のタイミングもない
喧嘩はいつものことでもう気にしてないんだけどなんで私をいつも挟むのかな
そんな事を思いながらも以前からのもやもやが熱によって確信に変わった前世の記憶の所為でいつものこの光景なのに心がぎゅっと強く握り潰されたような感覚に陥る
「ゆり?やっぱりまだ本調子じゃない?」
心配そうに覗き込む青子
「だぁーから言ったろー!アホ子の激突でまた調子悪くなったんじゃねーか?」
同じく反対側から覗き込む快斗
「ん?大丈夫だよ!それより青子、私も1番に青子に会いたかったの。お祝いありがとう!」
放課後スイーツ奢るのがお祝いね!と笑って誤魔化すと青子は心配顔から笑顔になり素直に頷いた
その反対側ではなんか納得いってない快斗の姿があるがそれは私は気づいて居なかった