第2章 2
「行ってきまーす!」
そう言って家の中にいるママに声をかけると(病み上がりだから無理しちゃダメよー!)と言われたので「はぁい」と軽く返事すると一緒に外に出るパパに(気をつけなよ)と八の字眉にして心配された
パパは心配性を溶かして固めました!みたいな人で今回も泣きそうになっていた
「ごめんねパパ。そんな顔しないで?」
そう言ってパパの眉毛の両端を指で上げてあげた
「ゆりは普段から大人っぽい振る舞いだから余計に心配なんだよ。くれぐれも無理しないように」
そう言って頭にポンっと手を乗せた後(じゃあ行ってきまーす)と家の中に声をかけるとパタパタと走ってくる最愛の妻、もとい私のママが(行ってらっしゃい)と恋する乙女の顔をして愛する旦那、もとい私のパパを見つめていた
はい。始まりましたよ
神崎家お決まりの朝の恋愛群像劇
うん
いつもと同じ朝
でも私だけちょっと違う
そんな朝