第11章 10
「ジーちゃんの話もあるし。気をつけてね。快斗」
「わぁってるよ!」
インカムで会話する私達
今日は、部屋で本を読みながら状況確認をしている
暫くすると犯行中に大きな叫び声をあげる快斗
「へっ?!快斗?!なに、どうしたの?」
返事はないのですぐにジーちゃんに連絡して駆けつけてもらう
「た、大変です!ゆりさん!坊っちゃまが飛んでどこかへ!!」
どういうこと?
意味がわからない
そして「熱い!!」という声
誰か女の人と話しているみたい
チョコレートを食べろと
嫌な予感がして
「快斗!!!私のチョコレート食べる前に他の人のチョコレート食べたら!!絶対許さないんだからね!」
思わず叫ぶ
ふと、外を見た
しとしとと降る真っ白な雪
騒いでいた心が少し落ち着く
「快斗、待ってるからね」
『…………あぁ、すぐ行く』
静かにそう言う快斗に、うん。と頷いた
通信を切って空を見上げる
今日は積もりそうだな