第11章 10
2/14
ブルーパロット
「ハークショッと!!!……うぅ」
「やっぱり風邪?なの?」
快斗の額に手を当てる
「なんか寒気がすんだよ。はぁ、やっぱり不吉な日だ2/14」
自身の両腕をさすりながら寒そうにしている快斗
「そうですか?私は坊っちゃまのお陰で甘ーい1日でありますよ」
そう言ってジーちゃんは快斗が学校でもらってきた大量のチョコレートを抱えてる
私はホットコーヒーのお供としてそのおこぼれをもらう
いつも食べてるチョコレートと違い甘い
「なーんか嫌な予感がするなー、怪我でもしなきゃ良いけど」
天を仰ぎながら言う快斗
「それにしても」
「ん?」
「快斗は随分おモテになるのね。相変わらず」
あんなにセクハラ行為をする快斗
意外と人気なのが癪に障る
「なんの話を言ってるかさっぱりわかんねー」
バレンタインデーを知らないで生きてきたこの男は私の嫌味にはノーダメージだ
「ゆりさん。大丈夫ですよ。このチョコレートはみんな義理です!義理!」
(義理)を強調するジーちゃんに苦笑いで返す
「なぁ、そういや、、、魔法って本当にあると思う?」
「魔法?」
首を傾げる
「うぅん。…………魔法は存在します」
厳しい顔をするジーちゃん
(まじで?!)と自分から聞いたにもかかわらずびっくりする快斗
そして魔術の話をしだすジーちゃん
「そういえば今夜は満月。満月は不吉な印と言われております。坊っちゃま。くれぐれもお気をつけて」
そう言って今日の犯行を心配するジーちゃん