第11章 10
「あ!こんな時間!!私お父さんと予定があるんだった!じゃあね!ゆり!快斗!」
突然時間の確認をして去っていく青子
「やっと静かになったぁー」
はぁぁと脱力する快斗に飲みかけのアイスコーヒーを差し出す
「飲む?」
「/////…オメェ。それまたワザとだろ」
少し赤くなる快斗にフフッと笑いかける
「今更じゃないの?」
『間接キスなんて』と口パクで言うと睨みつけながらアイスコーヒーを奪い取り残りを全部飲み干された
「あっ!あとちょっと飲みたかったのにー」
「ゆりはカフェイン取りすぎだ」
ガタっと立ち上がり近くのゴミ箱に空のカップを捨て私の手を取ると
「んじゃ、行くか」
ニシシッと笑った快斗にドキっとしながらも立ち上がった
手を繋いで歩いていると街はバレンタインデー一色だった
そっか
今年は快斗にあげれるんだ
いつもは青子に遠慮していた手前あげることはできなくて
そんな変化にちょっとこそばゆい気持ちになりながらもフフッと笑うと快斗は不思議そうにしていた
「快斗14日の夜、私の部屋来てね」
「んあ?なんでだよ」
「いーから」
首を傾げる快斗を強引に押し切った
「んーでも2/14といえば不吉な日だろ?俺、その日必ず怪我やら骨折やらで学校休む羽目になるしよぉー。今年こそなにもなけりゃー良いけどな」
苦笑いで返す私
たしかに快斗は2/14にことごとく運がない
「もし風邪引いたら私が家に行くね」
ニコッと見つめるとちょっと顔を赤くして頬をぽりぽりしてる快斗