第9章 9
ブルーパロットではジーちゃんはお昼寝中で
私はちょっと不機嫌な快斗とビリヤードをしていた
「あーくそー!むしゃくしゃするっ!!」
イライラしてるのか中々球が思った方向にはいかなくて
私は勝手にホットコーヒーを注いでフーフーと息を吹きかけて冷ましていた
「ゆりもちゃんと参加しろよなぁー!」
矛先は私に向いたらしくて
「いいけどやった事ないしルールわからないし快斗も壊滅的だから終われる気がしないよ?」
「うるへぇー!!ほんといつも容赦ねぇーなっ!俺が今何でイラついてるかもわかんねぇーくせに!」
一体なんの話をしてるんだかわからない
そんな事を思っていると隣から
「てめぇがうるせんだよっ!!」
という怒鳴り声がして一瞬ビクッとなる
「ッケ!さっきからワイワイガヤガヤ、ガキがビリヤードしてんじゃねぇーよ!」
元からイライラしてた快斗はこの言葉でムッとした顔をし出す
『ちょっと快斗!ポーカーフェイス!』
耳元で囁くがあんまり効果はないみたい
今にも言い返しそうなところにいつのまにか起きていたジーちゃんが助けに入ってくれた
ジーちゃんのお陰で快斗は乱闘騒ぎを免れたけどその人は帰り際に「ボスのプールバーに客を取られて閑古鳥が鳴いてるじゃねぇーか。まぁうちのボスの店には伝説のキューがあるからなー。お前の店と違って」と捨て台詞の様に出ていった
伝説のキューについて話してくれたジーちゃん
「そのキュー、一度は見てみたかったなぁ」
そういう快斗にジーちゃんはかつては自分が持っていて勝負に負けた。キューのチョークに細工されていた事を明かした
勝負は勝負
そういうジーちゃんだが快斗は納得いかなかったようだ
「じいちゃんには世話になってるし。取り返してやるよ!伝説のキューってやつを!」
冷め切ったコーヒーをゴクッと飲んでちょっとため息をつく。
「私も同じ思いだよ!ジーちゃんには私も恩返しがしたいの!」
「そしたらさっそく作戦会議だな!!」
気合いが入る快斗に衣装調達してくるねと言った