第9章 9
数日後
土曜日午前中
今日はたまたま光くんが学校に私が修正したぬいぐるみの荷物運びで一緒に作業部屋にいた
光くんは気まずいはずなのに全然そんな素振りは見せずいつも通りの優しい光くんだった
時刻は昼を周り皆んな元々休日だったからか足早に帰って行く
「あちゃー。思ったより時間かかったね。駅まで一緒に行こうか」
「え、でも」
「ゆりちゃん、俺に気使わなくて良いよ!気にならない訳ではないけど。でもこれからも普通に[友達]として仲良くしてほしいかな」
いつも通りの笑顔でそう言うのでこの優しさに甘えてはいけないと思いつつも(じゃあ駅までだったら)とokした
門まで2人で歩いて居ると
あれ
暫く会っていなかった
最後に会ったときは闇夜の白い鳥で
快斗がいた
快斗は光くんをすっと真顔で見る
「か、快斗?なんで?」
「おめぇーこそ。なんでこねーんだよ。……バイト」
バイト=予告日の待機
多分そういう意味で言っているのだろう
快斗は私を見ずに光くんを見据えながら話し続ける
「だから今日こそはって迎え来たんだけど」
「あ!そうだったんだ!……………光くん!ごめんなさい!今日バイトになっちゃったからこのまま行くね?」
居た堪れなくて早口でそう言って先に歩き出した
快斗は暫くしてから走って追いかけてきてちょっと不機嫌そうにしていた