第8章 8
「う、快斗、、、やだよ、返事して、、、お願い」
一度流れた涙を堪えながら必死に声をかけると、(う、、、ひょー。あっぶねぇー)と声が聞こえホッと胸を撫で下ろす
心臓はバクバク音が鳴ったままだ
「良かった、無事で」
「あぁ、、、今からあいつら追いかけてちょっくら理由でも探って来るわ」
「うん、わかった。気をつけて」
(おぉ!)と返事が聞こえ通信が切れた
良かった
本当に
そうだよね。快斗のそばにいるってことはこういうことも付きものなんだ
慣れなければいけない
閉店作業をして家に帰る
時刻は24時を過ぎるちょっと前で、ママからは軽い叱責を受けながらも素直に謝った
「どうしたの?」
私の様子がおかしかったのかママが心配そうに
言うので(忙しくてちょっと疲れちゃっただけだから大丈夫。心配かけて本当にごめんなさい)そう言って苦笑いしながらシャワーを浴びにお風呂へ向かう
ささっと浴びて部屋に入るとなんだか外が明るい
ベランダに行くと明るかった理由が明らかになる
ビルの壁には「HAPPY BIRTHDAY AOKO」の文字と花火が上がる
そっか
青子の誕生日
おめでとうという感情とは別の黒くてドロドロした感情
そんなものはいらない
大丈夫
大丈夫
フッと笑いながら部屋に戻りベッドに横になる
そして、そのまま目を閉じた