第8章 8
「ゆりー!今度の青子の誕生日ね!誕生日パーティーするんだ!ゆりもぜひ来てほしくって!」
そんな事を言われたのはキッドが5回目の予告を成功に収めた後だった
「ごめん青子。その日バイトで……でも前の日の夜は空いてるから私に前夜祭させてくれないかな?」
青子の誕生日パーティーの日は6回目の予告の日で。
学校が忙しくない日はなるべく緊急事態用にブルーパロットにいる事に決めてある
青子は残念そうにしていたが、前夜祭はすごく嬉しそうにしていて安心した
前夜祭
「青子〜ハッピーバースデー♪」
今日は少し奮発して念願だった以前の合コン会場で青子にディナーを奢る事にした
「明日行けなくてごめんね?その代わり!今日は好きな物頼んで!」
「ありがとう〜ゆり♪それにしても!めちゃくちゃおしゃれ!よく見つけたね!」
「実は前に言った合コンって、ここでだったんだ」
私の返しにわくわくしだす青子
あ、しまった。と思ったがもう遅い
「え!そうだった!!その後どうなの?!今はもう彼氏?」
「違うよ。告白されたけど」
(きゃっ)と小さな声をあげて赤くなる青子
でもすぐにあれ?と言う顔をしだす
「え?断っちゃったの?」
「んーとね…………保留中」
なんて説明すれば良いのかわからなくてそんな曖昧な返事になる
「……ゆりが好きかどうかわからないって事?」
「そうじゃないんだけど。、、、ごめん。なんだか難しくて」
まさか快斗の存在がまだ私の中に居て封じ込められないからとは言えない
「いいの。……でもね?話したくなったらいつでも聞くよ!ゆりはいつも1人で頑張っちゃうから。まぁでも!青子は恋愛なんか程遠いんだけどね!」
あはは!と笑いながら先程来た前菜を食べ始めた
「そんな事ないでしょ。青子は充分可愛いんだから。それに青子だって、、、」
思わず口籠もる
しまった
青子にも、快斗にも
私は自分からこの話題はあえて触れてこなかった
それは
怖いから
でも
そろそろそんな事言ってられないよね
光くんにも失礼だし
何を聞かされても大丈夫
大丈夫