第8章 8
快斗の家
「こんなところに………」
バイトは大丈夫と言われてそのまま快斗の家に来た
まさかこんなところに隠し部屋があるなんて
前世の記憶が曖昧なところがある
もしかしたら知っていたのかもしれない
「8年経って扉が開くようにしてたみたいだ。親父の最後のマジックだよ」
「盗一パパ………」
胸の上でギュッと両手を握る
暫く感情に浸っていたが、快斗の突然(よしっ!)という声が聞こえてハッとなった
「ここにマスク置けば………」
ガサゴソ片付けをする快斗に目をやる
「ウィッグの手直しここでやってもいい?」
「ん?、、あー、いいぞー」
ここは設備もしっかりしているので何度か使用したであろう物を手に取り鞄から手直し用の道具を出す
そして暫く作業をしていると
「なぁーゆり」
「ん?なに?」
「あ、のさ。………前に言ってたけど。彼氏、、できたのか?」
突然そんな事を言われて
心臓がバクバク鳴り出す
「………告白?された」
「んなっ?!」
なにをそんなに驚く事があるのか
長い沈黙
「そ、それで?」
「返事はしてないよ」
はぁぁぁ。とため息をつく快斗
「でも、多分。。付き合う、かな?」
ヘラっと笑って居ると瞳孔が開いてる快斗がいた
「ゆりは、、、好きなのか?」
いつになく神妙な顔
「うん…………すき」
大丈夫
大丈夫
大丈夫
だって今ちゃんと笑えてるから
快斗に(恥ずかしいからあんまり聞かないで///)と言ってこの話はおしまいにした
「そういえば、予告。もう出すの?」
快斗の手元で作成してるカードに目をやる
「あ、あぁ。、、、まーな」
そう言って止めてた手を動かし始めたので内心ほっとした