第5章 5
夜
んーいい匂い♪
その日の夜いつもの様に夜更かしグッズを用意して窓の前に座って日中に青子にもらったハンドクリームを付けてみた
優しいお花の様な香りがリラックスさせてくれてすごく良い感じ
メガネをかけて読み途中だった本を読む
これはこの前バイトに行った時ジーちゃんから借りた本で推理物
そういえばこの作者
(工藤優作)
これってたしか、、、名探偵コナン?の主人公のお父さんだっけ?
コナンはアニメや映画はなんとなく見たことあるがそこまででなくて
記憶が曖昧
そっか、この世界にはコナン君も居るんだよね
まだ出会ってもない探偵
快斗の強敵になる人物
そんな事を考えていたらふと今朝のハレンチ事件を思い出してちょっと顔が赤くなるのがわかった
あのままギュッて抱きしめてもらいたかった
大好きだよって言って腕を回したかった
でも
昼間の青子の態度と必死な快斗を見て理性が保ててて良かったと心底思った
頭をフルフルと左右に振り今の考えを取っ払い本に目を通そうとしたらポンっと音がしてライトブルーと白の薔薇の小さな花束が
バッと勢いよく窓を開けたら
「おめでとう」
頭にぽんぽんと手を乗せて言う快斗
思わずガバっと抱きつく
「うぉっい!あっぶねーな!!」
ちゃんと受け止めてくれる快斗
「ありがとっ!!すっごい嬉しい!!」
大好き
やっぱり大好き
でも言えない
言えないのが苦しくて少し涙が出た
「おいおい泣くほどかー?」
再度頭をぽんぽんとしながらそう言う快斗
「ランチの奢りはチャラ?」
「それは継続」
「んだよっ、くそー!」
あまりの喜び様にどうにかなると思ったのか
私はそんなに甘くないのだよ