第4章 4
帰宅後
「おやすみー」
ママとパパにそう言って自分の部屋の扉を閉める
手にはティーポットとマグカップ
机を窓際にセットしてエアコンを若干強めにする
そして窓を開けて壁に寄りかかって床に座った
本を読むときだけかけるメガネをかけて夏休み中に読みたいと思っていた本に手をかけた
明日はまだ夏休みなので何時に起きても大丈夫
だから今日は読みたいだけ読んでそのまま寝ちゃっても良い様に膝に毛布をかけてペラっと一枚捲る
ペラっ
ペラっ
ペラっ
聞こえるのは外の虫の鳴き声とページを捲る音だけ
ペラっ
ペラっ
「よぉ」
ベランダから声がしてすぐ隣にある網戸を開けたらそこにいたのは快斗だった
快斗はたまーにこうやって夜こっそり会いにきて特に用事もなく暇つぶし?の様な会話をして帰ってく
その様はやっぱりあの怪盗の様でいつもベランダの陰にドキッとしてしまう
でもそんな事バレたくないしバレちゃいけないと思い「なーに?」と普通に返事をした
「なーんも。特に用事なんてねーのわかってんだろ?」
そう言って定位置にドカッと座るので入ってきた網戸を閉めてまた読書に戻る
ペラっ
ペラっ
快斗は本当になんにも話す気がないのか特に何かしては来なかった
私は何となくこんな時間も嫌いじゃなくて
穏やかに本を読み進めていた
暫くしてある程度読み進めてしおりをして本を閉じた
背伸びをしてふと快斗を見ると自分用に用意した茶菓子に手をつけてズズッと紅茶を飲んでる