第45章 34.5
あーあ
またやっちまった
裸ですやすや眠るゆりを見て軽い吐息に似たため息をつく
犯行後なんて特に歯止めが効かなくて
結局ゆりが意識無くなるまで抱き潰してしまった
勝手知ったる洗面所に行きぬるま湯でタオルを絞りゆりを拭いてやるが一向に目を開けるそぶりがないところをみると限界を等に超えての行為だったと思い知る
とりあえずゆりに服を着せて自分もいつもの部屋着を着て、ベッドにタオルを何枚か敷いてゆりの隣に寝転がり頬を撫ぜると
擦り寄って幸せそうにするゆり
[結婚]
そんなのずっと先だと思ってて
でも
ゆりと付き合い始めてから考えが変わった
付き合う前まではこいつさえ頷いてくれたら焦りとか、不安とか
心配事が減んじゃねーかって考えていたが、結局のところ
付き合うのはそれは手に入れた訳じゃねーんだって思い知って
ふと青子が以前言ってた言葉を思い出す
[ゆりを誰にも見せたくない]
[閉じ込めて一生俺だけ見てればいい]
俺の中の黒いナニカがそんな事思ってて
間違っちゃいねーなって改めて思った
もちろんそんな事しねーけど
俺はゆりの自由に笑う顔も
一生懸命作業する姿も
恥ずかしそうに赤らめる姿も
心配そうに八の字眉毛になる顔も
背伸びをして俺に少しでもくっつこうとする姿も
たまにドジするのも
全部愛おしくて
ソレがなくなったらゆりじゃねーし
そんなゆりを愛してるから
なるべく近くて笑っていてほしい
どうしたらこいつは俺のものになるんだ?