第4章 4
夏祭り当日
「青子いらっしゃーい!」
「ゆりー!仕事?学校?お疲れ様!やっと夏休みだね!」
キラキラ笑顔でこっちが当てられそうになるのを何とか持ち堪え(浴衣一式持ってきた?)と聞いたら、もちろん!と嬉しそうに答えた
「青子ちゃん久しぶりね!浴衣着付け任せてね」
サムズアップして待ち構えるママにはい!と浴衣一式を渡す青子
「それじゃ、先にヘアメイクしてきちゃって!」
そう言われて私の部屋にぐいぐい押し込められた
「ゆりってメイクすごい上手になったよね、青子なんか普段から全然しないから」
これも前世のお陰…なんて言えないから(学校がね、特殊だから)と曖昧な返事をする
「青子は元が可愛いからしなくても平気だよ!ちょっとチークとリップだけですっごい可愛いんだから」
「幼馴染贔屓ー」
それは事実
だって青子と出会った5歳から大好きだから幼馴染フィルターはどうしても付いてしまう
それでなくても青子は可愛いけどね
一通り青子のヘアとメイクを仕上げて今度は自分の番
私の場合はそれなりにメイクしないとね
快斗も言っていた様に最近の発育状況がザ大人化!と言ってもいいようになってきている
が、顔がね
まだまだ子供で
よく言えばベビーフェイス
悪く言えばお子ちゃま
「ゆりだって可愛いのに」
はいはい。と適当に流して自分の事だからさっさかすませる
薄くアイラインをひいて目元はキラキラするだけのシャドウにチークとリップにマスカラ
髪はいつもより高めにポニーテールして後毛と毛先を軽く巻く
あとは簡単なゴールドピンをいくつかつけて完成
「ほんとゆりって器用だよね」
その言葉は素直に嬉しくて(ありがとう)と言って微笑んだ