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最後のマジック

第1章 1





コンコン

「おーい。入るぞー」

そう言って静かに私の部屋に入ってきたのはもう出会ってから14年。


つまり産まれた頃からずっと一緒
私の家の二軒先に住んでいる黒羽快斗



ノック音で眠りが浅くなり快斗の声で目を開けたがボーっとその姿を眺める事しかできない


それは元から低血圧な事もあるが恐らく朝自覚したあれの所為

「なんだよおめー。目開けて寝てんのか?」
目の前で手をひらひらさせてるこの男はやっぱりあの黒羽快斗




あー。やっぱりこの事実は受け入れ難いな


脳みそが覚醒しながらそんな事を思った



「あんだよ。再起動中か?いつもの」

私が低血圧で寝起きが悪い事をそういつも言ってくる

「んー、な、じ?(何時?)」
かろうじて出た?のか?というくらい乾燥して掠れた声も快斗には簡単に解読して「今16:30」と言いながら体温計をずいっと私に押し付ける


「あいママが計れって。んで37.5以上なら俺は強制退場だとよ」
どさっと床にあぐらをかいて顎で早く計れと催促する

あいママとは私のママのこと
私が快斗の両親を名前で呼ぶから自然と快斗もそうなったみたい

未だボーっとする頭をなんとか動かして、(体温計=熱測れ)を理解してパジャマの上のボタンを3つ外す

「おいっ!/////おめぇは本当に…」
赤くなって突然顔を背ける快斗

「んー?なに?」
首をかしげながら自分の脇に容赦なく挟みながら問いかけた


「たくっ/////なんでもねーよ!!」
尚も顔を背けながらちょっと怒鳴り気味に言う
そんなものよくある話だから無視して「水ほしい」と言ったらこれもママから渡されたであろうペットボトルを渡された

そのタイミングでピピピッと測り終わった電子音がなるので脇から出して快斗に渡した


「あー。良かったな平熱だ……っておい!おめぇいい加減にしろよっ!!無防備にも程があんだろ!」

「ゴクッゴクッゴクッ……はぁ〜〜」
水を勢いよく飲みながらチラッと快斗を見るが無視を決め込む



未だボタンを閉めず水をまるでCMかのように飲む私にもはや呆れてる?のか快斗はまだ少し赤くしながらもはぁぁと頭を抱えてた


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